2011年11月30日水曜日

【緊急】署名のお願い

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福島の子供たちのために20万人の署名を
http://www.avaaz.org/jp/save_the_fukushima_children_1/?copy

12/1までに20万人目標で、現在14万人弱。
もう時間があまりありませんが、よろしくお願いします!

2011年11月29日火曜日

FRYING DUTCHMAN humanERROR

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京都を中心に、ワールドワイドに活動するFRYING DUTCHMANの作品です。
とても「具体的」に原発の問題が語られています。
ちょっとアクが強くて長いですが、聴いて欲しい。

1点、曲中で「59基ある日本の原発」と聞こえるのは、54基の間違いかと思われます。

2011年11月28日月曜日

海の汚染と生物濃縮

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昨日、放送されたETV特集「海のホットスポットを追う」のキャプチャー。
拾いものです。場所は銚子沖……なのかな?



放送は私も見ていないのですが、まあこのキャプで大体分かるかと。

当初の予測通り、生物濃縮が起こっているということです。放射性物質は重金属ですから。

こちらのブログに詳細が載っていました。

この計測を行ったのは、お馴染みの岡野眞治博士のようです。

2011年11月27日日曜日

東電「原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない」

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11月24日 朝日新聞
プロメテウスの罠 無主物の責任 1
(クリックで拡大)

(記事書き起こし)
放射能はだれのものか。この夏、それが裁判所で争われた。

8月、福島第一原発から約45キロ離れた二本松市の「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」が東京電力に、汚染の除去を求めて仮処分を東京地裁に申し立てた。

───事故のあと、ゴルフコースからは毎時2~3マイクロシーベルトの高い放射線量が検出されるようになり、営業に障害がでている。責任者の東電が除染をすべきである。

対する東電は、こう主張した。

───原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって東電は除染に責任をもたない。

答弁書で東電は放射性物質を「もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」としている。

無主物とは、ただよう霧や、海で泳ぐ魚のように、だれのものでもない、という意味だ。つまり、東電としては、飛び散った放射性物質を所有しているとは考えていない。したがって検出された放射性物質は責任者がいない、と主張する。

さらに答弁書は続ける。

「所有権を観念し得るとしても、既にその放射性物質はゴルフ場の土地に附合しているはずである。つまり、債務者(東電)が放射性物質を所有しているわけではない」

飛び散ってしまった放射性物質は、もう他人の土地にくっついたのだから、自分たちのものではない。そんな主張だ。

決定は10月31日に下された。裁判所は東電に除染を求めたゴルフ場の訴えを退けた。

ゴルフ場の代表取締役、山根勉(61)は、東電の「無主物」という言葉に腹がおさまらない。

「そんな理屈が世間で通りますか。無責任きわまりない。従業員は全員、耳を疑いました」

7月に開催予定だった「福島オープンゴルフ」の予選会もなくなってしまった。通常は年間3万人のお客でにぎわっているはずだった。地元の従業員17人全員も9月いっぱいで退職してもらった。

「東北地方でも3本の指に入るコースといわれているんです。本当に悔しい。除染さえしてもらえれば、いつでも営業できるのに」

東電は「個別の事業には回答できない(広報部)」と取材に応じていない。(前田基行)
(書き起こしここまで)

記事の画像は、2chコピペ情報局、東電「あ!よく考えたら放射能って誰の物でもなくない?あっぶねー除染するとこだったはwwwww」よりお借りしました。

*   *   *

他人の土地に毒物をまき散らしても、それは自分の所有物では無いので、除染する義務は無い、と東電が主張し、その主張が裁判で認められたという記事です。

裁判官にも電力会社の天下り先が用意されているので、司法が腐敗していることは周知の事実です。それにしても、この東電の傲慢さは、怒りを通り越して笑えるレベル。

毒物をまき散らして、それが自分の手を離れた途端に、責任が無くなるというのなら、オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)や多くの実行犯たちは、死刑どころか、無罪でしょう。住宅街や地下鉄でサリンをまき散らしただけなのですから。

原発から45kmのゴルフコースを除染して、どの程度の効果があるのかについては、はなはだ疑問ではありますが、放射性物質による汚染が生じた場合の規則はちゃんと定められています。それには、しっかりと事業者が汚染の除去をしなくてはいけないことが書かれています。

(放射性物質がこぼれたとき等の措置)
第二十八条  事業者は、粉状又は液状の放射性物質がこぼれる等により汚染が生じたときは、直ちに、その汚染が拡がらない措置を講じ、かつ、汚染のおそれがある区域を標識によつて明示したうえ、別表第三に掲げる限度(その汚染が放射性物質取扱作業室以外の場所で生じたときは、別表第三に掲げる限度の十分の一)以下になるまでその汚染を除去しなければならない。

もはや正論を言っても、無駄な国になってますが、だいたい、放射性物質が誰のものか、という問い自体がおかしいでしょう。所有とか無主とか、そんな言葉遊びしてるヒマがどこにあるのか。

青酸カリの2000倍の毒性を持つセシウムなどの放射性物質を、人間の住む環境中にばらまいた超犯罪企業が、なぜ、いまだに存在しているのか。これに疑問を持たない人は、脳みそがパッパラパーと言わざるを得ない。

東電の所有資産を、避難、除染費用に充てて、企業体は一旦国が引き継ぎ、すべての役員の責任と罪を問わなくてはいけない。三権が腐ってしまったこの国では、もはや、G13型トラクターを売るしか無いのかもしれない。

2011年11月24日木曜日

浪江町の甲状腺被曝、平均5ミリシーベルトは本当なのか

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下の記事は、一見安心できるような内容ですが、どうも信用できません。

*   *   *

浪江の甲状腺被曝量、チェルノブイリの千分の1

(引用)
東京電力福島第一原子力発電所から20キロ前後に位置する福島県浪江町の住民の甲状腺被曝量は、チェルノブイリ原発事故後の周辺住民の被曝に比べ、1万~1000分の1だったことが、札幌医大の高田純教授(放射線防護学)の調査でわかった。18日に神戸市内で開かれた日本放射線影響学会で発表した。

原発事故で施設外へ放出される放射性物質のうち、ヨウ素131(半減期約8日)は甲状腺にたまりやすく、被曝量が多ければ甲状腺がんを引き起こす可能性もある。

高田教授は事故後の4月8、9日、同県内の避難所で、18歳~60歳代の浪江町民計40人の甲状腺被曝量を測定した。結果は3・6~7・8ミリ・シーベルトで、平均は約5ミリ・シーベルトだった。一方、チェルノブイリの周辺住民は、数シーベルトから50シーベルトとされている
(2011年11月19日00時31分  読売新聞)

*   *   *

「チェルノブイリの周辺住民は、数シーベルトから50シーベルトとされている」

まず、これについての説明が無いのですが、おそらくは、通常言われる被曝量ではなく、甲状腺等価線量のことを指していると思われます。これは計算がややこしくて私もあまり理解できていないのですが、甲状腺等価線量は全身の実効線量の20倍ほどの値で表されるようです。

数シーベルトから50シーベルトというのは実効線量で言うと、即死、あるいは数日〜数ヶ月で死亡する数値です。もし、記事の数値が実効線量を指していたら、チェルノブイリで即死した人と比べていることになります。それは、さすがに無い、でしょう……。

というか、こうした実効線量と甲状腺等価線量の計算の違いについての情報こそ、書くべきだと思うのですが、記事では何も説明されていません。

この記事で怪しいのは、浪江町の住民の甲状腺被曝量というのが「チェルノブイリの周辺住民」と同様の基準で計測されたものなのか、ということ。2つの値を比べるときには同基準を用いることは当たり前のことですが、どうも信用できない。というか「チェルノブイリ周辺」というのが、どの程度の距離を指しているのかも明記するべきでしょう。

次の疑問は、被曝した日からのヨウ素の半減期が考慮されているのか、ということ。記事には、計測したのは4月8日〜9日と書かれています。浪江町の住民が最も多く被曝したのは爆発のあった3月12日から数日間です。その被曝日に遡って積算されているのか。

もしかしたら、半減期を考慮した概算値ではなく、4月8日時点からの計算値を出しているのではないか。もしそうなら、記事の数値は、本当の被曝量の十分の一以下になる可能性があります。

以前、文科省からSPEEDIの結果として、1歳児の甲状腺等価線量が出されました。

緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)を活用した試算結果
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.html

このリンク先に、こんな言葉があります。「原子炉の状態が比較的安定となるのに従って大気中のヨウ素131濃度は低下しており、このために積算線量は4月6日以後、あまり増加していません。」

これを見越して、4月8日〜9日に計測したのではないか、と見えてしまうのです。

そしてもうひとつ。記事では「18歳~60歳代の住民を検査した」とありますが、放射能に対する感受性は若いほど高いとされているのに、なぜ18歳以上の人を対象にしているのか。同量のヨウ素131でも、大人と子供では被曝量は10倍近く異なるとされています。妊婦、0歳児、幼児、こそ、精密な検査が必要なのではないのか。

以下は実際のSPEEDIの試算結果のPDFです。

3月12日午前6時から4月24日午前0時までの積算線量
https://selectra.jp/sites/selectra.jp/files/pdf/0312-0424_in.pdf
クリックで拡大

これによると、浪江町は500ミリシーベルトの範囲に入っています。1歳児のデータであることを考慮しても、記事の数値とあまりに開きがあります。10倍で見積もれば、大人でも50ミリシーベルトになります。

*   *   *

以下のサイトに、ベラルーシ国民の年齢別の甲状腺被曝線量分布が掲載されていました。

チェルノブイリ事故による内部被曝と防護対策の有効性
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/JHT/JHT9511.html


1シーベルト=100レムとのことなので、この表によれば、半数が0〜300ミリシーベルト、20%程度の人が300ミリシーベルト〜1シーベルトの範囲に入っています。SPEEDIの浪江町の試算と近い数値です。

最初の記事にあるチェルノブイリ周辺住民の数シーベルト〜50シーベルトという被曝量は、この表には当てはまりません。

ベラルーシでは、事故から25年経った今、20歳〜25歳の世代が極端に少なく、当時の子供から生まれた子供に心臓の障害などの健康被害が出ています。彼らに現れているのは確定的影響(急性障害)ではなく、確率的影響(晩発性障害)です。

*   *   *

この記事のように、ミスリードと疑われてもしょうがない報道は、あちこちに見受けられます。安心っぽい内容でも、よくよく見ると、おかしい。

もっとも、昆布や魚介類を多く摂取している日本人は、もともと甲状腺を守るヨウ素を持っているため、ベラルーシやウクライナの人たちよりもヨウ素131の影響は受けにくい、という言説もあります。そうした違いで、被曝量が少なくて済んだのなら、本当に良いのですが……。

*   *   *

追記:2011/11/23 6:10

最後に、この記事の調査を行った札幌医大の高田純教授が自ら動画編集された、福島への応援動画を紹介しておきます。


2011年11月21日月曜日

死の町の議員に東電出身者が再選。民度が問われる。

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双葉町に掛けられた標語看板

福島統一選:東電出身2人再選 町議選
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111121k0000m040125000c.html

(引用)
福島県双葉町と大熊町で20日、町議選が投開票された。両町議選には東京電力出身の現職候補が1人ずつ無所属で出馬し、ともに再選された

18人が争った大熊町議選(定数14)には東電労組出身の加藤良一氏(54)が出馬。13人が出馬した双葉町議選(定数8)には東電出身の高萩文孝氏(45)が立候補していた。

17日に会津若松市で開かれた大熊町議選候補者の合同演説会で、加藤氏は壇上で「東電の損害賠償について、国会へ働きかけたい」と公約を語ったが、東電出身であることには触れなかった。

加藤氏は福島第1原発勤務を経て、東電労組役員を歴任。07年に初当選し、4期16年務めた別の東電組織内議員の後を継いだ

*   *   *

双葉町、大熊町、ともに大量の放射能で汚染され、死の町となった場所です。
この期に及んで、そこの町議に、東電出身者が再選されるとは。しかもバリバリの利権後継者を。救いようが無い、とはこのことか。

私の感覚では、未だに東電が上場企業として普通に在ることが信じられない。私の方がおかしいのか? 事故直後、東電の清水社長は菅首相に福島第一原発からの撤退を申し出たんですよ?

全国に放射能をばらまいた東電は、明確な犯罪者です。その発端が地震であれ、津波であれ、想定内だろうが想定外だろうが、絶対に許されることじゃないんです。

だいたい、自然災害で放射能がばらまかれることを始めから知っていたら、誰も原発なんて許さなかったでしょう? 

菅首相は3月の時点で、東電をさっさと潰して、保有資産を売り払って賠償に当て、家宅捜査を行って、会長、社長以下、役員の法的責任を問うべきだった。いや、もちろん今からでもそうされるべきです。

これを再選させた、双葉町、大熊町の町民の民度は、著しく低いと言わざるを得ない。快感物質に支配された猿の脳みそレベルです。それを自覚せよ、といっても無駄か。

もはやまともな判断のできる人は町外に出てしまったのでしょう。そう思いたい。

追記:コメントいただいた匿名さんより。少数の良識派の方々はいるようです。
参照→http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20111121-866216.html

2011年11月20日日曜日

神奈川県、放射能降下データの誤りを半年間放置。ほんとは30倍もフォールアウトしてました。

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神奈川県が、しれーっと怖い発表をしています。

3月中旬から下旬にかけて発表された、神奈川県の放射性物質のフォールアウト量に誤りがあったとして、訂正データが発表されました。

誤差の範囲ってレベルじゃねーぞ、と。そして、それを半年間も放置してきたのです。

*   *   *

東日本大震災:県、降下物の放射能濃度を訂正 ヨウ素30倍、半年放置 /神奈川

(引用)
県は18日、東日本大震災後に実施している降下物の放射能濃度測定で、数値を誤って公表していたと発表した。放射性ヨウ素が公表値の約30倍検出されていたケースもあったが、県は国の委託調査だったとして事実を把握後も半年間、公表していなかった。県は空間放射線量の測定結果をもとに「健康に影響はない」としている。

降下物の放射能濃度は3月18日以降、文部科学省の指示で県衛生研究所(茅ケ崎市)が1日1回測定、結果は同省ホームページ(HP)で公表している。県によると、3月20日~4月1日の一部数値に誤りがあり、3月21~22日は放射性ヨウ素が実際は9500ベクレルのところ340ベクレルとしていた。5月に衛生研が気づき、文科省に報告。県は「計測量も増え、不慣れな人が計算を誤った」と説明している。

今回の発表は、文科省がHPの訂正を決めたことから実施した。県環境衛生課は「県民に正確なデータを早く提供すべきだった」と会見で謝罪し、健康への影響は「この時期の空間放射線量は最大で毎時0・113マイクロシーベルト(国の除染目安は毎時0・23マイクロシーベルト)で問題はない」と話した。【北川仁士】

*   *   *

発表された資料はこちら。
計算が誤った理由がごにょごにょと書かれていますが、謝罪の言葉は一言もありません。

降下物の放射能濃度測定結果の訂正について
http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p394044.html

核種別放射能濃度(Bq/m2)

3月20日(9時)〜21日(9時)
ヨウ素131  (誤)750(正)5600    →7.5倍
セシウム137 (誤)210(正)1600    →7.6倍
セシウム134 (誤)190(正)1400    →7.3倍

3月21日(9時)〜22日(9時)
ヨウ素131  (誤)340(正)9500    →28倍(!)
セシウム137 (誤)110(正)1800    →16.4倍
セシウム134 (誤)100(正)1800    →18倍

3月22日(9時)〜23日(9時)
ヨウ素131  (誤)1300(正)3600  →2.8倍
セシウム137 (誤)64(正)110        →1.7倍
セシウム134 (誤)58(正)97          →1.7倍

3月23日(9時)〜24日(9時)
ヨウ素131  (誤)3100(正)1800  →0.6倍
セシウム137 (訂正なし)42
セシウム134 (訂正なし)37

3月27日(9時)〜28日(9時)
ヨウ素131  (訂正なし)35
セシウム137 (誤)20(正)12          →0.6倍
セシウム134 (誤)17(正)10          →0.6倍

*   *   *

3.11以降はこんなことばかりですが、人の健康に関わるデータを、平気で半年間放置できるのですから、まともじゃない。本気の本気で、この国の行政は、国民の命なんかなんとも思っていないんです。

2011年11月15日火曜日

全国が満遍なく汚染されたのか?

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MacBook Air、超軽い。iPhone4S、超画面キレイ。
といって、仕事が早くなるわけではありませんが。

ところで下の地図を見てください。

*   *   *

土壌へのセシウム沈着量を計算した地図。
単位は土壌1キログラム当たりのベクレル
(米科学アカデミー紀要提供)

初の“セシウム汚染”全国マップ!北海道~中国地方まで広く拡散
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20111115/dms1111151134009-n1.htm

(引用)
東京電力福島第1原発事故で放出された放射能が、日本列島各地に拡散している状況が明らかになった。名古屋大などの研究チームは福島第1原発から放出された放射性セシウムの全国分布を推定した地図を作成した。15日の米国科学アカデミー紀要(電子版)に発表する。各自治体などが公表したデータに基づく推定とはいえ、実態に近い全国版の汚染マップが示されるのは事故後初めてだ。

地図は名古屋大の安成哲三教授、ノルウェー大気研究所などのチームが作った。3月20日から1カ月間に福島第1原発から放出されたセシウム137について、各地の自治体が計測した連日の降下量データをもとに大気中の拡散をシミュレーション。土壌への沈着量を推定した。

セシウムは北海道から中国地方にかけた広い範囲に沈着するが、西日本の汚染は少ない結果だ。研究チームは「中部地方の山岳地帯が西日本への汚染大気の拡散を防いだ」と分析している。

地図上の分布状況は、文部科学省が岩手県から岐阜県まで18都県で行った航空機モニタリングの実測値とほぼ合致している。そのため、専門家らは「汚染は、この地図通りに広がっている」とみている。

ただ、今回の解析には建屋の水素爆発などで大量の放射性物質が放出された3月中旬のデータは含まれていない。同チームでは、地図に示された状況は「実際の汚染の下限に近い」としている。現実はさらに深刻ということか。(引用ここまで)

*   *   *

あらー、中国地方から北海道まで、日本全国汚染されまくってるじゃん。というのは、まあ事実は事実なのですが、この地図は汚染の度合いが全国的に平板に見えるよう作られています。

原発が爆発を繰り返し、あらゆる放射性核種が大気中に放出された3月中旬のデータを含めずに作られているのです。どうも、「日本は満遍なく汚染されているんだよ」というミスリードのようにも感じられます。

「現実はさらに深刻」というこの記事の結論はまったく正しいのですが、その深刻度合いは福1に近いほど増していきます。だって爆発時期のデータが反映されていないのですから。高濃度の放射能プルームが到達した地域の汚染は、この地図よりももっともっと酷いということなのです。

もしかしたら、この地図を公表、報道している側は「どこに逃げても一緒ですよ。どこも汚染されてるんだから」と言いたいのかも知れません。

で、この夏頃に流行った面白い地図があります。

クリックで拡大

これは非常に的を射た地図です。住む地域によって、汚染への感覚は変わってくることを表しています。そして人々は、自分の住む場所とより汚染のひどい場所を比べて「ここより原発に近い場所に、たくさん人が住んでいるのだから」という、非論理的な考えで安心しようとします。

ちょっと前、友人に「私は危険派と安全派の学者の意見を相対的に聞いて、弁証法的に捉えようと思う」と言われました。だいたい人生における問題は答えが無いことが多いので、そうした弁証法的な考え方は非常に有効ではあります。ですが、こと有事の判断においては、そんな悠長な、人間的な、あまりに人間的な考えでは、ダメなのです。

放射能の問題には、明確に答えがあります。すなわち健康被害を受けるか否か。これから長い期間で、その答え合わせが続くのです。好むと好まざるにかかわらず。つまり、放射能の危険性は相対的なものではなく、絶対的な数値で見なくてはいけないのです。「0.6μSv/h以上は放射線管理区域である」というように。

*   *   *

土地の人口が減るということは、公務員の数も減るということです。福島県知事や宮城県知事が事実を隠蔽して、県民を逃がさない努力をしているのは、そうした公務員の食いぶちを減らさないため、という見方もできます。

そして確かに今となっては、避難するリスクとリターンが拮抗、あるいはリスクの方が大きい場合も多いのです。爆発直後の時点なら、東北、関東、どの地域においても、避難することの方がリターンが大きかった(まだ答えが出ていないのでなんとも言えませんが、「この病気はもしかして」と考えずに済む精神的なリターンが大きい)。

ですが、私は、なんどもなんども言ってますが、0.6μSv/h以上の土地に住む人(特に40歳以下の人たち)は、今からでもすぐに避難するべきだと考えています。

先の地図を見ると九州地方だけが汚染されずに済んでいます。沖縄は地図上に無いので分かりませんが、おそらく大丈夫だと思います。

ちなみに私は避難先を福岡に決めたとき、偏西風の方向とチェルノブイリ事故時の汚染範囲、猫を連れて新幹線で行けること、そして沖縄や太平洋側よりもプルームを遮る山脈が多いこと、などを考慮しました。この考えは、結果的に正しかったと言えるでしょう。

それにしても、北海道の汚染が思ったよりもひどい。私は東京にいる間、北海道牛乳を飲みまくってるんだけど、ちょっと考え直す必要があるのかな。

2011年11月11日金曜日

とりあえず更新しておく

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やっと東京の元の住居から、同じ地域の仕事用の部屋に引っ越しが完了しました。部屋の面積が前よりだいぶん狭くなったので、ダンボールと電化製品、家具で足の踏み場も無い状態になっています。

私は引っ越しの準備とか、役所への事務手続きとか、部屋の片付けとかが、全然できません。これは後天的な脳の欠陥だと思っています。でも、東京での生活は一人ですべてを行う必要があり、とても苦労しています。

福岡に戻るまでの2日間で、なんとか部屋の片付けをしておきたかったのですが、急にMacBook Proの調子が悪くなり、アップルサポートに4800円払って、長々電話で話して、やっと直った、と思った直後、キーボードにコカ・コーラを注ぎ込んでしまいました。

これで何もかもが嫌になり、スクーターで渋谷のアップルストアに走って、MacBook Airと外付けHDDとLANケーブルとアダプターを購入して、またブーンと帰り、すぐにデータを移行しようとしたら、これまた上手くいかない。

どうも、アカウントとデータの「紐付け」ができていないとのこと。で、またアップルサポートと長電話して、やっと方法が分かりました。そのときには、羽田空港に行く時間。

で、結局、部屋の片付けができないまま、福岡に帰ってきました。福岡の部屋にはネット注文していたiPhone4Sが届いていて、ProからAirへデータ移行した後で、iPhoneのデータ移行とセットアップ。

私は超めんどくさがりな上に機械音痴で、こういう作業があまり好きではないので、新しい機械を手に入れるのは、多少の嬉しさよりも多大な煩わしさを感じるのです。

というわけで、ここ最近はいろいろバタバタしている、という報告でした。あまり更新頻度が下がると、ブログ自体の存続が危ういので。3月の震災から、私の生活はまだ、完全に再構築できていません。

2011年11月6日日曜日

TPPについて

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今まで、TPPに関してはよく分からなかったので、書かなかったのですが、私の意見を言っておきます。

TPPは、環太平洋戦略的経済連携協定なんていう大げさな名前が付けられていますが、GDPの規模から見るに、アメリカと日本の非関税障壁を取り払うという、事実上2国間の協定である、ということ。

これに参加すると、関税を無くすことで安い農産品が入ってきて、日本の第一次産業が壊滅してしまう可能性がある。

また、日本が誇る国民皆保険が無くなり、マイケル・ムーアの『SiCKO』のように、医療や保険がアメリカ並みの劣悪なものになる可能性がある。盲腸1回600万円とか。金持ちしか健康を保つことはできなくなるということです。

その他いろいろ、非関税障壁について国際機関に訴えられれば、たとえ日本の法律でも自国を守ることができなくなる。とにかく日本が潰れてしまう可能性がある、ということが分かりました。

で、私が思うに、日本はTPPに参加すれば良いと思います。

震災以前の日本であれば、私はTPPに反対したでしょう。この協定は明らかに内政不干渉の原則に反しています。

でも、原発災害が起こってからの日本は、法治国家ではなくなり、民主国家でもなくなり、ただ利権構造によって自滅していくだけの、亡国になっているのです。もちろん、その芽は災害以前からあったものですが、原発災害によって、この国の本質が明確に表れました。

日本の農業が潰れる? いやいや、もう潰れるより酷いことになってます。だいたい、もともと日本の農業は、既得権益が酷くて、日本人や日本企業でも参入障壁が高かったのです。健康保険が利かなくなる? 保険どころか、日本政府と東京電力は自国民を殺しても平気な顔してるじゃないですか。

先の敗戦で、日本はアメリカの作った憲法で、成長を遂げました。そのときマッカーサーは「近代文明の尺度で測れば、日本人は12歳である」と発言しました。今の日本人は何歳でしょうか。幼稚園児レベルです。

枠組みを作る力も、構造改革する力も日本には残っていません。前エントリのタイトルのように、日本人は奴隷化してしまった。これは戦後教育による愚民政策の成果です。もちろん、これは私自身にも向けた言葉です。私は暴動を自ら起こすだけのバイタリティを持っていないのですから。

残念なことに、黒船や戦争と同様、外圧でしか、日本は変われないのです。

TPPに参加して、日本がどう変わるのかは分かりません。良い方向に行くとも思えません。でも、外圧が利権構造を潰してくれる可能性があるのなら、今は参加するタイミングです。

おそらく「TPPは絶対ダメ」と言っている人は2種類いて、本当に日本のことを考えている人と、利権内部にいる人です。だから、これだけ反対論が盛り上がるのだと思います。

もちろん賛成派にも利権者はいます。親アメリカの政治家などには、見返りが用意されているのでしょう。

保守、左派、宗教、外患……、今の日本で存在感を誇示している人たちを見ると、何かの行動理由を持っている人たちしか見当たりません。特定の思想に偏らず、ただ日本が良い国であって欲しいと願う「普通の日本人」の存在感が無い。

「普通の日本人」が当たり前のことを考えて、おかしいことはおかしいと声を上げれば、この国は簡単に変われると思っています。良かれ悪しかれ、この国は法律よりも世間が勝つのです。

真っ当な「世間」を取り戻さなくてはいけません。

2011年11月4日金曜日

奴隷化する日本国民

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(要約)
電気が足りないのだから10カ月連続で電気代値上げするのもしかたないだろ。国民がみんなで負担しなきゃ、東電の苦労を。

*   *   *

(要約)
消費税10%にするからよろしく。

*   *   *

年金70歳引き上げで45歳以下は払い損、高齢世代は“年金天国”
(要約)
あ、年金はあてにするなよ。どーせお前ら70歳まで生きてないし。

*   *   *

政府、東電支援決定…1兆円超支払いへ
(要約)
東電には1兆100億円差し上げます。夏のボーナスは40万円に半減しちゃいましたけど、次の冬のボーナスは奮発してくださいね!

*   *   *

外貨融通、700億ドルに拡大=為替安定へ規模5倍に-日韓首脳合意
(要約)
韓国には5兆円差し上げます。日本側からの提案。

*   *   *

これで国民は、食べて応援! 節電節電! とか言ってるんだから、おめでたいですよね。国が放射性物質の基準を引き上げたのは、農家を守るためではなく、東電の負担を下げるため。放射能入りの食べ物を食べることは、農家を助けてるんじゃなくて、自分の健康と引き替えに、東電の負担を減らしてるだけなんです。で、そんなバカが放射性廃棄物を食べてくれるおかげで、東電の社員にボーナスが支給されるんですよ!

この嘘もすっかり忘れ去られてるよねー

2011年11月3日木曜日

3月15日都内ストロンチウム、玄海原発再開、小規模「臨界」、東京湾垂れ流し、東京がれき。

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もう、いい加減、今の段階で、原発必要とか、放射能危なくないとか言ってる人には、何を言っても無駄な気がします。

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(引用)
東京電力福島第1原発事故後の3月15日に東京都世田谷区で採集された大気中の塵(ちり)から、1立方メートル当たり約0・01ベクレルの放射性ストロンチウム90が検出されていたことが2日、分かった。

都によると、都立産業技術研究センターが採集した塵について、日本分析センターに分析を依頼、6月21日に結果を受け取っていた。都産業労働局は「数値が極めて低く、健康に影響を与える可能性が低い」などと判断、公表はしていなかった。

共産党都議団が、ストロンチウムの測定データがあれば公表するように都に求めて明らかになった。ストロンチウムは横浜市内でもマンション屋上の堆積物から1キログラム当たり最大195ベクレルが検出されていた。

(コメント)
30 名前: 地震雷火事名無し(神奈川県)  Mail: sage 投稿日: 2011/11/03(木) 00:21:50.49  ID: 5H0rl/Ui0 
東京でストロンチウムが1立方メートルあたり0.01ベクレル入っていた
人間は1日に10000リットルぐらい空気を吸うらしい
ということは、1日で100ベクレルぐらいのストロンチウムをみんな吸った
という単純計算になるのか
多分、放射性プルームが去った後はそんなたくさん残ってなかった
かもしれないから、もっと少ないだろうけどね

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(一部引用)
トラブルで停止していた佐賀県玄海町の九州電力玄海原発4号機の運転が、1日深夜に再開された。(略)「地元の了解は、ある意味必要ない」

(コメント)
一次締め切り:2011年11月2日 午前10:00
最終締め切り:2011年11月4日 午前9:00

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(一部引用)
細野豪志原発事故担当相は「臨界はないと考えている。年内の(1~3号機)冷温停止状態達成はできると考えている」と述べたが、今後の状況次第では影響が出る可能性もある。

(コメント)
厳密に臨界してるかどうかは分かりませんが、キセノンが出ている以上、核分裂反応が起きていることは確実です。それで「年内の冷温停止達成できる」って、冷温臨界を成功させたら、ノーベル賞モノですよ。

つーか、燃料が溶けて、固まってるんだから、核分裂なんか起きっぱなし。未だにヨウ素が出てるのですから。

みんなもう飽きただろうと思って、ちょっとホントのこと言ってみたら、思いのほか、反応が大きかったので、あわてて取り繕った感があります。

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(コメント)
江戸前寿司が終了? いや、寿司はもとから終了してるか。

これ千葉県のセメント業者が東京湾に垂れ流してたんですが、これに対して「県からの要請で停止」ですよ。要請ってお願いってことですから。家宅捜査も逮捕も無し。で、こいつらが作る放射性セメントで、各地に家が建てられます。

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(コメント)
これも後々、問題になるでしょうね。

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ジャーナリストの岩上安身さんが「答え合わせは数年後と思っていたが、甘かった」と発言。まだ詳細は明らかにされていませんが、すでに結構な健康被害が出ている、ようです。複数の当事者本人と会っている、とのこと。いずれ情報が出てくるでしょう。

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